人とのつながりで、地域を支える

まず、営業という仕事を始められたきっかけをお聞かせください。学生時代は高校球児で、甲子園まで行かれたと事前情報を伺っています。

たしかに高校球児ではありましたが、高校2年の時に補欠で甲子園に行って最後に代打で出してもらっただけで(笑)

そのあと半分 野球推薦みたいな形で大学に進み、一応長男ということもあって、地元に戻って知り合いのつながりで入社しました。最初は東北レミコンに総務みたいな形で入ったのですが、向いてなかったのか東北商事の営業に回って…(笑)

40年近く月日が経ちました。

営業のお仕事の中で、取引先と関わる上で大切にされていることを教えてください。

やはり、互いに信頼できる関係性ですね。納期を含めてお客様に対する約束事は厳守しなくてはならないので、そこはメーカーにも協力をお願いする形で信頼関係を築いています。

私が思うには、仕事の大小にかかわらず、誠心誠意いただいた仕事を完遂させること。最終的にはそれが長続きする何よりのポイントなのかな、と。

工事期間が予定通りにいかないなど、臨機応変な対応も多い中で、そうした関係作りやコミュニケーションも必要ですね。

間に入っている商社の立ち位置としては、潤滑油のようにスムーズな流れを作るのが重要な仕事の1つかと思います。 ただ単に物を流すだけにならないよう、なるべく気持ち・心遣いを添えるようにしています。

営業マンとしてのキャリアの中で「これは転機だった」「忘れられない現場だ」と思う出来事はありますか?

20代で営業になって、独り立ちというか、一人でお客様のところをまわるようになって、初めて大型物件を受注した時のあの嬉しさ、充実感は今でもよく覚えています。あとは東日本大震災時の復旧工事の経験は大きかったですね。

初めての受注はどのような部分が印象的でしたか?

通常うちから生コンクリートを購入されないお客様のところに何度も通ったんです。そして相手の社長から最終的な返事をいただいて成約したときの気持ちは今でも深く心に残っています。

震災の時のお話を伺えますか?以前のインタビューでは受注量も膨大でとても忙しかったと聞いております。

復旧工事が本格化してからは本当に大変でした。

通常であれば10~20キロくらい離れた山から生コンクリートの骨材をとってくるのですが、原発事故の影響で閉鎖してしまった採石場もあったため、山口県や北海道から船で運んできた材料を使うなど、仕入先経由で探してもらって必要な分をなんとか確保していました。

社員やその家族、取引先の方々も被災している状況で、何とかやりくりしていたという感じだったと思います。

そんな中でも、大きく壊れた地域のインフラを復旧させていかなければならないという状況もありましたし、当時社長から「みんな大変だとは思うが、同じく大変な地域のために、少しでも仕事で役立っていこう」と励まされていたので、その思いで頑張っていました。

東北商事の営業としての面白さは、どんなところに感じていらっしゃいますか?

商談が成立して、お互いに納得した形となるのがベストですが、そこを目指して相手との距離感を掴んでいく面白さがあると思います。

抽象的な話になりますけど、人と人との関係は簡単なようで、やはり難しい。近づきすぎても、離れすぎても…という感覚があって、 その距離感は相手によっても変わってきますし、自分の感性の中で養っていくものだと思っています。

あとは、建設工事における構造物が出来上がる過程でいろいろ携わらせていただいているので、実際に街で建物や道路を目にして、「あの時こうだったな」と思い出が蘇ることも面白さの1つですね。長い間かたちに残るものですので、同時に責任感や達成感も湧き上がってきます。

幅広い建設資材を取り扱われているからこそ、納期や納品場所の調整といった部分で、ちょっとドキドキするようなこともあるんでしょうか?

そうですね、ありますよ。

例えば、メーカーから「1カ月かかる」という回答に対して、現場は「20日間で納品してもらわないと困るよ」っていう場合もあって、間に入って調整する場面は多々あります。そこでの対応によって人間関係も変わりますし、もし変われば充実感もあります。

調整に失敗してしまい、「あなたのところからはもう買わない!」と言われた経験もあります。それでも、諦めずにそこから関係を修復していくことも大事な仕事だと思うようになりました。難しいところであると同時に、真価が問われるところでもあると思っています。

最後に、これから仲間になる人へのメッセージをお願いします。

やはり、「地域の役に立てている」という気持ちを持てることが、長い目で見たら一番のモチベーションかと思います。

我々の仕事においては、地域とのつながりやそれに対する役目のようなものを感じながらやってきました。大震災の復旧工事を通じてもそれは強く実感した部分です。

これから新たな建設プロジェクトとして、学園都市のような国家規模の構想も実際に動き出してきているので、そういった未来に向けたプロジェクトをこれからの人たちに担ってもらいたいと思っています。

会社である以上、数値目標はもちろんありますが、それが先に立ってしまうと、空回りする場面もある気がします。

人とのつながりや、地域の役に立とうという思いを脇に置いてしまって、自分たちの都合だけで動いてしまうと、結局はつまずいてしまうんじゃないのか?と思います。かといって数字を抜きにして、やりたいようにやるわけにもいきませんので、うまくバランスをとりながら面白がってやってもらえればと思います。