「あなただから頼みたい」の一言を引き出すために
営業という仕事に就かれたきっかけをお聞かせください。
最初は東北レミコンに入社して、17年間、工場勤務でした。品質管理の業務がメインで、合間に出荷業務、製造業務など、ひと通りこなしてきました。
そんな中、平成17年に東北レミコンから東北商事の営業に異動となり、今日に至ります。最初は驚きましたが、「他の人たちがこなしているのであれば」という思いで始まりました。
お仕事の内容もかなり変わったと思いますが?
全く別物だと感じます。ましてや今度は人相手なので、そのあたりの神経はだいぶ使いますね。
営業の仕事は、「人対人」。それに尽きると思っています。どこに、誰にアプローチしていくのか、その順番一つ間違えるとマイナスになってしまうこともあるので、きちんと筋を通して進めていく感じです。それは教えてもらうだけではなくて、ある程度自分で足を運んで、「ここの会社はこういう感じなんだな」と肌で雰囲気を掴み、そこに自分を合わせていくことが必要かと。お客様ごとにカラーがありますし、人も違うので、それが重要だと思います。
忘れられない現場・出来事があれば教えていただけますか?
私が営業になりたての時に、山腹の地すべり対策工事がありました。大きな規模の案件だったんですが、もともと想定されていた設計内容と現場の実情にズレが生じておりまして…。特殊な資材も使っている中で、当初の想定よりも大分多くの費用が掛かったのですが、本来ならそうなる可能性も慎重に考慮した上で仕事を進めていかなければならなかったんです。
最終的には協力を依頼した施工業者に何とか現場を仕上げてもらったのですが、それでも結果的にお金が足りなくなり、仕入先にも迷惑を掛けてしまったという出来事で、今となっては私の営業のいい教材となっています。
それは面食らう出来事ですね…!
もうクラクラしました(苦笑)工事が始まってから「設計と現場の状況が違うんじゃない…?」という話になって。営業になって1,2年目の出来事でしたが、そのあたりの知識が十分ではなく、仕入先に頼っての現場対応となってしまいました。
その仕入先には助けてもらった恩義があるので、「今後は少しでもお返しできる仕事をつくっていこう」と強く思ったのを覚えています。
そういういろんな経験や失敗をしながら、少しずつ仕事の質が上がってきたのかなと思っています。触れたことのないような新しい仕事・案件でも、ある程度自分のイメージをもって挑戦できるようになってきたと思います。
見積や積算、現場の状況、進める仕事の内容も「こんなイメージだろう」というのを自分の頭の中で組み立てていけるようになった感じです。まあ、外れることもあるんですけど(笑)
![]()
そうなれるまでに、どれくらいの期間かかりましたか?
極端に言うとここ最近になってからかもしれません。
土木と建築にまたがるので、扱う資材は多岐にわたります。最初から深い知識を持つというよりは、広く知っておくことが大事です。全部が全部、深くは頭に詰め込めないので。
その中でポイントをつかんでお客様といろいろ話をしながら、求められている部分を関係者と一緒に深めていく感じです。
日頃、「腕の見せどころだ」と感じられる部分はどんな場面ですか?
契約通りに仕入先に納品の依頼をしても、ごくたまに違ったものが入ってしまうことがあるんです。どこかで認識がズレてしまって、現場から連絡が来る。間違えたのはどこか別のところですが、お客様の窓口は私なので、まずは「すみません」と謝ります。そこからどこでどう間違ったのかを調べ、大急ぎで正しい資材をもう一度納める・・というのはあるあるですね。
こうした時ほど、営業としての対応が問われると思います。
確かに、そういうことは起こり得ますね。工事スケジュールの変更なども多いと思いますが、そういう調整を円滑に行うためにもどんなことを大切にされていますか?
関係先との信頼関係を長い期間で築いておく必要があると思います。お客様のところに行って、顔馴染みになって座ってお茶でも飲みながら、ちょっと濃い話ができるようになるまでは、やっぱり時間はかかります。それでも、最初は立ち話をしていたのが、中に通してもらって段々といろいろな話ができるようになる。
その時にはどんなお話をされるのですか?
仕事の話も当然それなりにしますが、世間話のほうが長くなることもあります。堅苦しいだけでも良くないですし、その人が興味ありそうな話をしてみたり。
私が良かったなと思っているのは、17年間の工場勤務時代に、品質管理として現場にも出入りしていた関係で、顔見知りの方々が結構いました。そのため、自然体で営業の仕事にも馴染んでいけたと思います。
営業になられて、地域や社会に対する見方にも影響がありましたか?
そうですね、自分たちの仕事が地域に与えている影響により気づくようになった感じはあります。インフラ整備は然り、住宅を建てる時も生コンクリートを使いますので、私たちの材料が多かれ少なかれ地域に役立っているんじゃないかなって思います。
街を走っていると、思い出の場所じゃないですが、「あそこの現場にも関わったな」と当時を思い出すことがあります。
工場にいた時はコンクリートのことだけを気にしていましたが、東北商事に来てからは構造物を見ると勝手に3Dで「この中に入っているこれとこれとこの資材はうちで納品したな」という感じで見るようになりました(笑)
お仕事の中で大切にされている価値観やお考えはありますか?
お客さんに「またこの人に頼みたいな」と思ってもらえる仕事をするようには心がけています。それはずっと変わりません。
この業界は一本気な方々が多いので、その人たちに対して「資材を売るだけでなく、自分自身を買ってもらおう(=信頼してもらおう)」っていう気概が大事だと思います。
実際に期限が短いお仕事も多いですよね?
そうですね、納品に緊急を要することが結構あります。本当は「もう少し早めにお願いします」と思う時もありますが(笑)
お客様が困っている時、緊急の時はギアを一段二段上げて、あらゆる対応が取れるようにしようという心構えでいます。
そんな経験をたくさんしてきたので、どんな仕事が来ても少しのことでは驚かないし、自分のイメージで対応して仕上げていけば、喜んでもらえて信頼に繋がっていくものだと思っています。
営業という仕事の中で、自分自身が一番成長できたと思うのはどんな点ですか?
人との話を楽しむようになったと思います。いろいろな情報を頭の中で整理しながら、相手は本当は何を望んでいるのかな、とか。
相手の考えを要所要所でつかむ。時には性格までもつかむ必要があります。お客様に合わせた営業、これが一番大事かと。いただいた仕事に向き合って、いい意味でサプライズができるよう、そして喜んでもらえるように、と常々考えています。
![]()